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3月26日~27日 心の教育活動 吹奏楽部が被災地で応援コンサート

2016年3月27日

2016年3月27日、本校の吹奏楽部が東日本大震災被災地区である宮城県岩沼市に伺い、「ふれあいコンサート」と題して被災地応援コンサートを行いました。
駒大高校は震災直後の2012年から岩沼市へ毎年訪問し、「被災地応援活動」として岩沼市の皆様に元気をお届けする活動を続けてきました。
そして2016年、チアリーディング部・校友会(生徒会)に続き、本校の看板部活動の一つである吹奏楽部の訪問が実現しました。
3年生が引退・卒業し、1・2年生63名の参加でしたが、それでも2015年11月に全国ポピュラーステージ吹奏楽コンクールで優勝した演奏は大迫力です。
コーディネーターをしてくださった岩沼市の谷地沼さんは、リハーサルから「鳥肌がたつ」とおっしゃってくださっていました。

今回の活動では、やっと復興のためのかさ上げ工事が始まった名取市閖上地区や、岩沼市の里の杜東仮設住宅の集会場で、 震災当時の話と仮設住宅の暮らしについてお話を聞く機会もいただきました。
高校生たちは、震災について学び、未だ日本は復興の途中である事を実感しました。

コンサートには100名を越す地元住民の皆様が駆けつけてくださいました。
また、玉浦中学校吹奏楽部/岩沼小学校金管バンドの皆さんと交流・協奏し、温かい時を過ごしました。
共演してくださった2バンドの皆さんは勿論ですが、今回コーディネート役をしてくださった地元のまとめ役の谷地沼さん, 体育館をお貸しくださった玉浦小学校、仮設でお話を頂いた里の杜サポートセンターの皆さん、 ご挨拶頂いた岩沼市教育委員会教育長はじめ、コンサートにいらして頂いた岩沼市役所の皆様に心より感謝申し上げます。
私達はかけがえの無い「心の学び」をいつも岩沼の皆様からいただいています。

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1日目、吹奏楽部は当日の朝まで、神奈川県の愛川町で合宿を行っていました。
岩沼でのコンサートはまさに集大成、気合を入れて新幹線に乗り込みました。
夕方に仙台に着くと、まずは名取市閖上地区を回り、震災復興の現状を目の当たりにしました。
日没前のわずかな時間でしたが、「想像よりも状況は悪かった」と、
この日の夜、部員からはそんな言葉が聞こえました。

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夕食後は仮設住宅の集会場に行き、震災後の避難や仮設での暮らしの様子を聞きました。
お話をしてくださったのは、震災時に避難所で炊き出しや地域の皆をまとめた「谷地沼富勝」さんと、青年海外協力隊から震災と共に現地入りし、仮設住宅のサポートをしてこられた「桝山 明」さんでした。
混乱の中、必死に行政と住民をつなぎ奮闘されたお話からは、「震災にあってもたくましく生きて欲しい」という強いメッセージが伝わってきました。

最後には、実際の仮設住宅の中を見せていただくこともできました。薄い壁、決して広いとは言えない室内、この広さでも一家4名以上で無いと入れてもらえなかったとおっしゃっていました。この中で5年近く、多くの人が頑張ってこられ、そしてまだ仮設でさらに数年の生活をしなければならない被災者が多くいる事を、我々は忘れてはいけないでしょう。
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翌日は朝早くからリハーサルでした。本番とはまた違う緊張感に厳しい言葉も飛び交います。
「こだわる」からこそ素晴らしいものを見せられる。気持ちが入るからこそ、部員や顧問の表情も引き締まりました。
11時からは、協奏する玉浦中学校吹奏楽部と岩沼小学校金管バンドの皆さんと合流しました。
玉浦中学校の吹奏楽部には、家を流された生徒さんや、お父さんを津波で亡くした生徒さんもいらっしゃいました。

お昼は震災時の「炊き出し」を思い出すようなおにぎりと白菜ナベを、地元青年会の方々を中心に振舞ってくださいました。
宮城の小学生・中学生と、東京の高校生が吹奏楽を通じて繋がり、笑顔を交わす姿は、日本が繋がっている事を実感できる瞬間でした。
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いよいよ14時からコンサートの開始です。
春休みの日曜の昼、忙しい時間帯にも関わらず、本当に多くの方が駆けつけてくれました。
市役所からも教育委員会の教育長さんや、復興を引っ張った建設部長、チアリーディング部の訪問でお世話になっている農政課・政策企画課の皆様も駆けつけてくださりました。
行政と住民がいち早くつながり、日本で最初の集団移転を成し遂げた岩沼だからこそ、実現したイベントなのだという事を実感しました。
コンサートは行進曲「旧友」から始まり、「ドレミの歌」や「マイウェイ」と聞きなれた旋律が並びます。
沢山の拍手・参加を頂き、子供から大人まで多くの人の笑顔を見ることが出来ました。
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コンサートの盛り上がりは特に後半でした。
七曲目のミッキーマウスマーチでは、地元の7歳の女の子が指揮をふるいました。
八曲目のビリーブは、合唱と演奏の演出です。「I believe in future 信じてる」胸打つ歌詞に目頭が熱くなる皆さんの姿を見ることが出来ました。
駒澤バンドの伝統曲である「ブラジル」の演奏の後には、市から「花束」のプレゼントもいただきました。
そしてグランドフィナーレは、玉浦中学校・岩沼小学校・駒澤大学高等学校の全員合奏による「アフリカンシンフォニー」でした。
全員で奏でる音は力強く、皆の心を勇気付ける音楽になったと思います。
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コンサートは盛大な拍手と共に幕を閉じました。
部員たちは帰り支度をし清掃を終えた後、歌のプレゼントとともにお別れの挨拶をしました。
バスが駐車場を出るまで、手を振って見送ってくれた玉浦中学校の皆さん本当にありがとう。
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帰り道、千年希望の丘という海岸沿いの公園により、慰霊碑に鎮魂の祈りをささげました。
どうしても最後に直接海を見たいといって丘に駆け出す部員たち。震災を「他人事」にしたくないという、強い思いから出た行動だと思います。
このような機会を頂き、岩沼市の皆様には感謝の言葉しかありません。 これほどの大災害が起きた時,その現場に「一度も行った事が無い」ということと、 「行って何かをした」ということには、感じるものにとても大きな違いがあると思います。 自分達に出来る事はわずかですが、必ずやこの経験を心に刻み、これからも日々に感謝しながら、 活動に励んで行きたいと思います。そして、いつかまた岩沼市に笑顔を届けに行きたいです。
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