夏の雨が静かに降る中、私は府中の森芸術劇場へと足を運びました。目的は、吹奏楽の大会。本校が出場するということで、これはぜひともこの目で、いや、この聞こえづらい耳で確かめねばと、傘を片手に遠い駐車場からやや足早に会場へワクワクしながら向かいました。本校がついに、「全国大会への挑戦」に向けて第一歩を踏み出す日だったからです。
到着すると、ちょうど“王者”と名高い高校の演奏が始まるところでした。客席に腰を下ろすと同時に、指揮者が登壇。その姿たるや、まるでオーケストラの巨匠のような風格。そして演奏が始まる前、楽器を構える生徒たちの一挙手一投足に目を奪われました。特に驚いたのは、生徒たちの堂々と座る姿と楽器を口元に持っていくあの一瞬の動き。まるで時間を合わせたかのような美しいシンクロ。すでにこの段階で「これは一流だな」と心の中で唸りました。
そしていよいよ本校の出番。なんとこの“王者”のすぐ後、内心「この順番はなかなかの試練だぞ」と思いましたが、生徒たちは落ち着いた足取りで堂々と登場。緊張よりもむしろ“挑戦者の気概”が会場に広がっていくのを感じました。そして演奏が始まると、指揮者の田村先生の合図とともに自信をもって音を響かせ始めました。王者の後でも見劣りしないどころか、本校らしい伸びやかさと情熱が舞台いっぱいに広がり、私は自然と背筋を伸ばし、拍手を送る手に少し熱がこもっていたように思います。
演奏が終わった瞬間、私は思いました。「うちの生徒たち、やるじゃないか」と。この日の演奏は、まさに「全国大会へ行くぞ」という強い意志のこもったステージでした。挑戦は簡単なものではありません。ですが、雨の府中の森で響いたあの音には、全国の舞台を目指すにふさわしい希望と力強さがありました。
雨音に包まれながら、私は確かに感じました。この子たちは、まだまだ伸びる。全国は、夢じゃない。
PS:会場での写真は NG でありましたので、今回は文章だけとなります。
