職員会議用 資料 2007/7/10
親林プロジェクト報告
(イベントから日々の活動へ…本校独自の「環境教育の森づくり」を目指して)
本校では,2006年度長野県信濃町との契約を行い,里親として,信濃町柏原地区に学校山林を持った。(学校内名称「絆の森」)。現在ではこの学校山林は,林間学校での「生徒一人一人が自分の木を持ち,森を作る;植林体験の場」として活用されている。林間学校では本年でも26名の生徒がこれを選択し,午前:植林体験 午後:癒しの森における森林セラピー(インストラクター有り)というカリキュラムで,自然学習を行う予定である。
一方,この親林プロジェクト事業は,これからの世代に求められている「環境教育」の目標;「自然生態系の有限性・人間と生態系の協和を考え、それを意識できる人間作り」を達成するための教育の場として,強く期待される。本年プロジェクトチームでは,この重要性の認識のもと,地元;信濃町柏原地区の方々や信州自然大学校と連携関係を築くと共に,本年よりアドバイザーとして長谷川宏一氏を迎え,
@ 日々の教育活動・学校活動と現地活動を連携させていく方法の検討
A 現地における森林施業や植林の方針など,「森林と人間の多様な関わり方を教育できる学校山林作り」
というコンセプトのもと,年々の具体的施業計画づくりを行ってきた。先日6月30日〜7月1日においても,長野県信濃町において,上にあげた関係各位を交え「今後の学校山林つくり」について打ち合わせを行ってきた次第である。
この文書は,その活動報告を行うとともに,現在立案したいくつかの学校山林を軸とした環境教育プログラムについて,ご検討・ご協力を願うものである。
(本年度の活動履歴)
4月半ば 科学研究部コーチ・学校山林のアドバイザーとして長谷川氏を招致。今後の進め方について協議を行う。
5月3日〜5日 谷口・長谷川・横田(生徒)(科学研究部)の三名で現地にて部活動を行うと共に学校山林の現状調査。信州自然大学校佐藤氏と打ち合わせ。
5月 8日 親林プロジェクトチーム+アドバイザー+校長先生にて会議
5月 23〜24日 林間学校下見(長野県信濃町)+打ち合わせ(二瓶・林間学校の先生方)
6月 5日 親林プロジェクトチーム+アドバイザー+校長先生にて会議
6月 12〜13日 校長先生,現地にて柏原区・信州自然大学校・信濃町の関係各位と打ち合わせ
6月 21日・27日 長池里山クラブ(多摩)・八ヶ岳キープ協会を訪問,今後の進め方の参考にすべく先行事例を聴取(長谷川)
6月28日 親林プロジェクトチーム+アドバイザー+校長先生にて会議
6月30日〜7月1日 柏原区・信州自然大学校・長野県・信濃町の関係各位と会議(二瓶・久保田・谷口・長谷川)
@日々の教育活動・学校活動と現地活動を連携させていく方法
☆学校側として取り組むこと
・ 林間学校での生徒の作業に加え,春と秋など年に1~2回,生徒や保護者・OBの有志を募った,学校林ツアーを計画する。(信州自然大学校の森林セラピー講座とセットにする)
具体的なプログラムは7月21日〜24日にかけて,長谷川・谷口・久保田の三名が林間学校に同行し,現地と調整を行ってくる予定。
・ 継続的な経済基盤(次年度助成金を国や民間に依頼予定:国土緑化推進機構・緑の地球防衛基金など)および人材基盤の育成
・ 森林機能,環境問題について事前教育プログラムの充実(東京周辺の自然団体とも連携)。
遠足などの校外学習とも連携可能か?
・ 学校内に学校山林に関する掲示板を作成(各季節の写真などを展示)
☆学校側と地域が協力して取り組むこと
・ 学校山林の様子を定期的に知るためのシステム構築(Web カメラ設置)
(季節ごとの写真は送っていただけることになっている)
・ 信州での苗木を高校で育て,植える等、日々の学校生活活動との連携を図る。
(林間学校に参加した生徒は,本年より現地に芽生えた苗木を持ち帰り家で育てる予定)
・ 林間学校に継続的に来ていただけるインストラクターの方をお願いする。
(信州自然大学校との連携関係の強化)
・ (現地・地元でとれた野菜を生徒で食べるなどし,学校山林の存在を生徒に実感させる)
→検討中
※ この環境教育の成功のためには,いかにして日々の意識の中で生徒に環境に対する意識を持たせるかが重要であると考えます。上にあげた活動のほか,多くの部活動での利用など,積極的な利用・参加をお待ちしております。
現地では,植林・下草刈りなどの施業に加え,森林セラピーなど信州自然大学校の環境学習プログラムとの連携。また,森林内のあずまや(ログハウス)作り・木工細工など多くのプログラムを用意します。
親林プロジェクトチームにご相談ください。
A学校林の具体的施業について
(コンセプト)
森林と人間の関わりには,
「原生林(人がまったく手を入れたことのない森)」
「放棄林(人が手を入れた後,自然の成長に任せた森林)」
「林業林(材木を作り出すための施業・手入れを施した森)」
「生態保護林(里山)(元来地元に根付いた生態の多様性を保つことを目的とした森;競争に強い種は手を入れるなど管理する必要がある)」
「レクリエイトのための林(下草を刈り,陽樹を植え,人が楽しいと感じる森)」
「育樹林(幼樹を育てるためのスペース)」

といった多様な関わり方が存在する。本校プロジェクトチームは,学校山林という一区画の中にこのテーマ(原生林を除く)にそったゾーンを作り,生徒がこれら多様なかかわりを感じ,それぞれの森について考える事のできる森作りを行うことを提言する。
(具体的施業)
学校山林は,A地区・B地区・C地区の三地区に分けられる。
A地区(植林地(皆伐済み)
B地区(保護区(下草刈りのみ)
C地区(松林(間伐済み)

注:皆伐
→森林に深く入り込んだ競争力の強い外来種を淘汰するため,一度木をすべて切り,再び森林を作っていく施業
間伐
→森林内に光を入れ,明るく緑豊かな森を作るため,樹木を部分的(二本に一本など)に倒す施業
目標;広葉樹を主とした多層(樹齢がまばら)で多様な種が構成する森を育てる。
@ポット苗の植樹
・一人一本の植樹
・全体にランダムに植えるのではなく,ある場所はミズナラを集中して植えるなど,植え方にも変化をつける
A低木を移植する(10〜15本程度)
・山桜・カエデなどの幼木を移植する。
目的:植樹地において,多齢性を確保するため
:生徒に移植という植樹方法を体験させる
B埋土種子から芽生えた芽を適宜選定(マーキング)し,生徒が一人一本林間
学校時に持ち帰る。自宅にてこれを育て,もう一度植えにくる機会を設ける。
目的:植樹地において,多齢性・多層性を確保するため
:地元に根付いた種を育成するため
C柵周辺(記念樹の周り)の整備(マユミの木やツツジなど)
目的: 外から学校林の存在をはっきり分かるようにする
: 秋のツアー(保護者+生徒の有志)などが行う植樹以外の作業として
手入れの方針→下草刈り(ササやアカシアの侵入を防ぐ)(6月か?8〜9月か?)
;芽生えた芽の中で成長させられるものをマーキングし,その芽は残す
。
B地区→中高木層について,現在の樹種構成(混交林)を保持する
(アカシアなど競争率の高い樹種は部分的に伐倒するなど手入れをする)
;アカシアの純林に遷移する可能性もあるが,ある程度自然遷移に任せる。
@ 散歩道を作る(野道程度)
生徒が安全に中に入っていけるように
A 樹木に木片などを使ってネームプレート付け
(科学研究部かツアーに参加した生徒)
目的:生徒が手を入れる前の林の状態を理解できるようにする


C地区→松の育樹を目的とした施業を行う。
@枝打ちなどの施業を順次行い,林床に光が入るように。
A間に発芽した樹種については選定(地元の方にお願いする)し保持する。
目的;将来的に高木層(マツ)を太らせ・中木層・低木層(マツ・広葉樹)のある混交林を目指せたらと考えている。
B林床の暗いところで,切り倒した木にキノコの菌種を打ち込むなどの作業は可能か?
(秋のツアー(保護者+生徒の有志)で行う作業)

