樹海のなぜ?
樹海を歩いた人はきっと、奥多摩や丹沢などの森と雰囲気がちがっていることに気づいたのではないでしょうか。
- 足元に溶岩が出ている。
- 洞窟がそこかしこに点在している。
- 樹海という割には全体に木が細く、大木がない。
- 木々の根が浅く土に潜れていない。(土が少ない)
樹海は貞観6年(864年)の富士山の噴火により溶岩に埋もれてしまった荒地で、1200年の時をかけてツガやヒノキなどが再生した原生林であると考えられています。
流れ出た溶岩は表面から冷え固まるため、中身が流れ去ってしまうとそこに空洞ができ、落盤などによって地上に姿を現します。これが洞窟の正体。
また1200年と若いことから大木がなく、土も非常に少ないため(植物の死骸などから土が1cmできるのにおよそ100年かかる)、根が土中に潜れていないのです。
「コンパスが利かなくなる」「迷い込むと出られない」など、暗いイメージがまとわりつく樹海ですが、遊歩道として整備されている辺りは明るく、そういった面影はほとんどありません。
ちなみに,この9世紀ごろの噴火を「貞観の大噴火」と言います。よくニュースを見ている人は,この「貞観(じょうがん)」という言葉に反応できるはず…
東日本大震災の時,「この規模の津波は「貞観津波」以来」と言う言葉がニュースに出ました。東日本大震災のような地震が起き,貞観津波がおこったのが869年とされています。貞観の大噴火が864年,不気味なつながりを感じますよね…