樹海map

「樹の海」から高みへ

1年生になって初めての校外行事、遠足。今年も昨年に引き続き、富士樹海から三湖台へと抜けるルートを歩きました。前半は鬱蒼と木々が茂る樹海の遊歩道を歩き、後半は一転してその樹海を見下ろす高台へと抜けるルートです。
高台の前後にはスリリングな急登が待ちかまえており、気が抜けません。雨上がりの蒸し暑い陽気の中、およそ10kmほどの行程を4時間かけて歩きました。

樹海のなぜ?

樹海を歩いた人はきっと、奥多摩や丹沢などの森と雰囲気がちがっていることに気づいたのではないでしょうか。

  • 足元に溶岩が出ている。
  • 洞窟がそこかしこに点在している。
  • 樹海という割には全体に木が細く、大木がない。
  • 木々の根が浅く土に潜れていない。(土が少ない)

樹海は貞観6年(864年)の富士山の噴火により溶岩に埋もれてしまった荒地で、1200年の時をかけてツガやヒノキなどが再生した原生林であると考えられています。
流れ出た溶岩は表面から冷え固まるため、中身が流れ去ってしまうとそこに空洞ができ、落盤などによって地上に姿を現します。これが洞窟の正体。
また1200年と若いことから大木がなく、土も非常に少ないため(植物の死骸などから土が1cmできるのにおよそ100年かかる)、根が土中に潜れていないのです。
「コンパスが利かなくなる」「迷い込むと出られない」など、暗いイメージがまとわりつく樹海ですが、遊歩道として整備されている辺りは明るく、そういった面影はほとんどありませんでした。

当日の様子

前夜まで雨。道があまりにぬかるんでいるようなら中止という判断も考えられましたが、生徒の期待を裏切り、無事実施となりました。 (ちなみに雨天コースは八景島シーパラダイス。「えー、行かないのー」という声多数)
当日は快晴。前夜の雨のせいか、空気が非常にクリアで富士山がはっきり見えました。
日当たりもよく、出発時には長袖では暑いくらい。樹海の中の道もすでに乾きつつあって、山道のぬかるみもそれほど心配は要らない様子でした。

平坦な樹海歩きから、一転して山道へ。
幅が広く歩きやすい紅葉台、新富嶽百景にも選ばれた三湖台からの眺望、そしてスリリングな下り坂を経て「道の駅なるさわ」へ。 変化に富んだ所がこのコースの魅力です。また途中で、リスに齧られたマツボックリやウサギの糞、ぬかるみにはシカの足跡なども見かけ、春の訪れを感じました。
三湖台からの急な下り坂は今年も数多くの悲鳴を生んでいましたが、ここで山歩きの面白さに目覚めた人もあり、こうした体験も案外悪くないのかも知れません。いちばん印象に残っているのは絶景か、それとも友だちとの語らいか?遠足の魅力は人それぞれのようです。